パラリンピック競技大会(読み)パラリンピックきょうぎたいかい(英語表記)Paralympic Games

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラリンピック競技大会」の意味・わかりやすい解説

パラリンピック競技大会
パラリンピックきょうぎたいかい
Paralympic Games

国際パラリンピック委員会 IPCが統轄する障害者のための国際総合スポーツ競技会。1948年イギリスのストーク・マンデビル病院の医師,ルートウィヒ・グットマンによって始められた車椅子患者たちのスポーツ大会が起源。1960年国際ストーク・マンデビル競技大会委員会 ISMGCが組織され,同年のローマ・オリンピック競技大会にあわせてローマで競技会を開催したのを機に,今後は可能なかぎりオリンピック競技大会の開催地あるいは開催国で競技会を開くことが決められた。1964年東京オリンピック競技大会直後に競技会を開催,この頃すでに下半身の麻痺を意味する「パラプレジア Paraplegia」(→対麻痺)と「オリンピック Olympic」の合成語である「パラリンピック Paralympic」が使われていた。1976年モントリオール・オリンピック競技大会開催年のトロント・パラリンピック以降,脊髄損傷者以外の身体障害者の参加が定着,国際身体障害者スポーツ大会として発展し,1985年国際オリンピック委員会 IOCがパラリンピックの呼称を用いることに同意した。1988年ソウル・パラリンピックから,「パラレル(Parallel=平行した,もう一つの)」とオリンピックとを組み合わせる新たな解釈で,パラリンピックが使用されることになった。1989年 IPC設立。1960年のローマ大会を第1回パラリンピック競技大会に,1976年にスウェーデンで行なわれたエーンシェルツビーク大会を冬季競技大会の第1回に,それぞれ規定した。2000年シドニー・パラリンピック開催中に IOCと IPCの協調がはかられ,IPC会長は自動的に IOC委員に就任すること,オリンピック競技大会開催都市は大会終了後に必ずパラリンピック競技大会を挙行することを義務づけるなどの取り決めがなされた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android