パリ・フロイト学派(読み)ぱりふろいとがくは

世界大百科事典(旧版)内のパリ・フロイト学派の言及

【精神分析】より

…そのなかでもJ.ラカンは,30年代半ばから精神分析を学んだが,大戦後,無意識を体系的な言語の構造をもつものと考え,言語学と結びつけつつ独自なフロイト理解を進めて,とくに60年代半ば以降構造主義の一翼をにない広い思想的影響を与えるにいたった。彼の主導するフランスの精神分析は,ときにパリ・フロイト学派とよばれる。 一方,J.P.サルトルやM.メルロー・ポンティをはじめ現象学とマルクス主義を結合する実存主義の展開に続いて,人間の社会的活動を深層の意味構造から理解しようとする探求が生まれると,精神分析とフロイト主義は,言語学や人類学などと連動しつつ,無意識的な文化の構造を探り,人間認識の基本視座を革新する試みの思想的源泉の一つとなった。…

【ラカン】より

…フランスの精神分析学者。はじめパリのエコール・ノルマル・シュペリウールで哲学を学び,そのあと医学に転向して,1927年から32年までパリのサンタンヌ病院などで精神医学と神経学の臨床に専念した。当時,彼がもっとも興味をいだいたのは,エメ(仮名)という女性患者との出会いから触発されたパラノイアの問題で,その成果は《人格との関連からみたパラノイア性精神病》(1932)と題する学位論文にまとめられ,初期の代表作になった。…

※「パリ・フロイト学派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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