パン・アフリカニスト会議(読み)パン・アフリカニストかいぎ(英語表記)Pan-Africanist Congress of Azania; PAC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

パン・アフリカニスト会議
パン・アフリカニストかいぎ
Pan-Africanist Congress of Azania; PAC

1959年4月アフリカ民族会議 ANCから分離,創設された南アフリカ共和国の解放組織,政党。ANCがアフリカ人の解放を主眼としながらもその構成原理は多人種的であったのに対して,PACは党員資格をアフリカ人に限定している。初代書記長は P.レバロ,同総裁は『パン・アフリカニスト』誌の編集者ロバート・M.ソブクウェ。1943年に積極行動を唱えて創設された ANC青年連盟の精神と原理を継承していると主張し,その目的は独自の認識,アフリカニスト的創造力,社会主義的内容,民主的形態,創造的目的を有する社会をつくり上げることであるとしている。また多人種主義的運動を批判し,南アフリカの解放闘争はアフリカ人ナショナリズムに基づいて行なうという立場をとっている。1960年3月21日を期してパス法反対大衆デモを行なうよう呼びかけたが,同日のシャープビル虐殺事件契機に政府の激しい弾圧にあい,同 1960年4月8日以降非合法化された。以後もっぱら地下活動,国外活動を展開してきたが,1990年2月他の政治組織とともに非合法措置を解除された。アパルトヘイト廃止後政党となり,1994年に実施された最初の全人種参加選挙では得票率 1%で 5議席を得た。

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