パーシング

百科事典マイペディア 「パーシング」の意味・わかりやすい解説

パーシング

米陸軍の火力支援用の弾道ミサイルで,I型とその改良型II型とがある。射程はI型が約740km,II型が約1800kmあるが,中距離核戦力全廃条約締結により廃棄される。→ミサイル
→関連項目INF短距離弾道ミサイル中距離弾道ミサイル

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改訂新版 世界大百科事典 「パーシング」の意味・わかりやすい解説

パーシング
John Joseph Pershing
生没年:1860-1948

第1次世界大戦におけるアメリカ派遣軍American Expeditionary Forcesの司令官。士官学校卒業後騎兵隊に入り,日露戦争に際しては観戦武官を務め,1917年少将,ヨーロッパ派遣軍の司令官に任命された。アメリカ軍は彼の主張により,ヨーロッパ連合軍の指揮下に入らず,独立組織として戦った。彼の頑固さは有名で,ワシントンD.C.の陸軍省参謀本部とも摩擦を起こしたが,19年,合衆国軍元帥称号を受け,21年より参謀総長を務め,24年退職。アメリカにおける武人型軍人の代表として有名。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーシング」の意味・わかりやすい解説

パーシング
Pershing, John Joseph

[生]1860.9.13. ミズーリ,ラクリード
[没]1948.7.15. ワシントンD.C.
アメリカの陸軍軍人。 1886年陸軍士官学校卒業。インディアン討伐戦争,アメリカ=スペイン戦争などに参加し,1905年日本に駐在武官として勤務した。日露戦争では観戦武官として日本軍に従軍。 16年にはパンチョ・ビヤに対するメキシコ出兵の司令官。 17年アメリカが第1次世界大戦に参戦するとヨーロッパ派遣軍司令官に任命され,戦後 19年にアメリカ陸軍で最初の元帥となった。 21~24年参謀総長をつとめ,引退。アメリカの戦術ミサイル「パーシング」は彼の名にちなんでいる。著書『世界大戦における私の体験』 My Experiences in the World War (1931) 。

パーシング
Pershing

アメリカ陸軍の地対地戦術用弾道ミサイル。 II型はソ連SS-20ミサイルに対抗するため 1982年 12月からヨーロッパに配備された。射程は SS-20より短いが,終末誘導にレーダ地形照合誘導装置を使い,CEP (半数必中界) 45mという高い命中精度を誇った。中距離核戦力 INF全廃条約により 91年5月末までに全廃。主要目は,射程 1800km,速度マッハ 12,全長 10.5m,直径約 1m,発射重量 7.2t,推進方式固体燃料,弾頭威力5~50kt,CEP45m以下。

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