ヒガンバナ(彼岸花)(読み)ヒガンバナ(英語表記)Lycoris radiata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒガンバナ(彼岸花)」の意味・わかりやすい解説

ヒガンバナ(彼岸花)
ヒガンバナ
Lycoris radiata

ヒガンバナ科の多年草で,マンジュシャゲともいい,他にシビトバナ,シタマガリ,テンガイバナなど多くの呼称がある。日本および中国の暖帯から温帯に分布し,堤防,墓地,田のあぜなどに生える。皇居内堀に面した土手群落は有名である。外皮の黒い球形の鱗茎で,葉は花後に出る。秋に,鱗茎から 50cmほどの中空の花茎を1本出し,茎頂に赤い有柄の花を数個輪生状につける。下部に膜質の総包片が数枚ある。花被片は6枚あって狭い披針形で外側に著しくそり返る。葉は厚質で光沢のある線形で鱗茎から叢生し,晩秋に伸び出し翌年の春には枯れる。三倍体のため種子は通常できないが,中国の中部には結実するもの (二倍体) がある。鱗茎はリコリンという毒物を含むが,水でよくさらしてデンプンをとり救荒食物とした記録もある。

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