ヒトクチタケ(一口茸)（読み）ヒトクチタケ（英語表記）Cryptoporus volvatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ヒトクチタケ(一口茸)
ヒトクチタケ
Cryptoporus volvatus

担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ科。マツなど針葉樹の幹に発生し，傘の径1～6cm，厚さ1～4cmで，一側で樹幹に着生している。傘は革質状コルク質で，上面は淡褐色で脂状の光沢をもち，大きくなったものでは網状の皺がみられる。縁が厚く，丸く下面に広がって帯白色の膜となり，小さな孔を1つ残してキノコの下面全体をおおっている。胞子塊の特異臭に誘引された小昆虫が，その体に胞子をつけて各所に運搬する。木材の白腐れを起す有害菌である。日本各地と中国，朝鮮半島，北アメリカに分布する。

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