ヒホン(英語表記)Gijón

改訂新版 世界大百科事典 「ヒホン」の意味・わかりやすい解説

ヒホン
Gijón

スペイン北西部,オビエド県の都市。人口27万3931(2005)。ビスケー湾に面し,アストゥリアス地方の主要な工業港漁港ローマ,西ゴート時代は,ジジャGigiaという名で知られる。8世紀の初めころイスラム教徒によって占領されたが,737年ころキリスト教徒が奪回し,791年までアストゥリアス王国首都であった。1395年カスティリャ・レオン王国の内乱戦火で焼失した。その後16,17世紀にかけ,何度かイギリスとオランダ海賊による襲撃を受け,1588年敗れた無敵艦隊の船がここに入港した。18世紀末に当地出身のホベリャノスの名をとった商船学校が開かれた。1955年以降,農工業労働者に対して技術指導をするためにフランコ政権が創設した研修所の一つが初めて建てられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒホン」の意味・わかりやすい解説

ヒホン
ひほん
Gijón

スペイン北部、アストゥリアス地方オビエド県にある港湾都市。人口26万6419(2001)。ビスケー(ビスカヤ)湾に面する。ローマ時代起源の古い町は、小半島状のサンタ・カタリナ丘陵の上に建設された。最初の突堤が15世紀前半に築かれ、その後は湾岸沿いにも市街地が発達した。スペイン内戦時(1936~39)には大きな戦災を被り、現在の市街地はその跡に計画的に建設された。レビリャヒヘド侯の宮殿(15世紀)、バルデス侯の宮殿(1590)など、古い建物が残る。工業地区は住宅地の南側内陸部と、北西約6キロメートルにある外港エルムゼル港に沿う海岸部にある。港は石炭の積出し港として知られ、近くのベリニャ製鉄所はスペイン屈指の近代的製鉄所。他に化学、食品などの工業がある。

田辺 裕・滝沢由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒホン」の意味・わかりやすい解説

ヒホン
Gijón

スペイン北西部,アストゥリアス州,アストゥリアス県の都市。ビスケー湾にのぞむ。スペイン沿岸の交易の中心地。ローマ時代にギギアとして知られた町で,8世紀初期にはムーア人に征服されたがまもなく奪回され,791年までアストゥリアス王国の王城の地となる。鉄鋼,化学,製油などのほか,たばこ,ビール,食品などの工業が立地する。近郊で産出する石炭および鉄鉱石は重要な輸出品。ローマ時代の温泉跡があり,夏の保養地でもある。人口 25万 9054 (1991推計) 。

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百科事典マイペディア 「ヒホン」の意味・わかりやすい解説

ヒホン

スペイン北西部,ビスケー湾岸のオビエド県の港市。食品加工・陶器・ガラス工業が行われる。15世紀のサン・バティスタ教会がある。起源は古代ローマ以前で,8世紀にはイスラム軍に占領されたが,キリスト教徒奪回後の737年から791年までアストゥリアス王国の首都。1552年カルロス1世により港が建設された。27万6969人(2011)。

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