ヒマサン(読み)ひまさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒマサン」の意味・わかりやすい解説

ヒマサン
ひまさん / 蓖麻蚕
eri-silkworm

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヤママユガ科に属するガ。インドから中国大陸を経て日本にまで分布するシンジュサンの飼養品種で、インドのアッサム地方で絹糸をとる目的から、ヒマによって長年飼育されている。

[井上 寛]

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百科事典マイペディア 「ヒマサン」の意味・わかりやすい解説

ヒマサン

エリサンとも。鱗翅(りんし)目ヤママユガ科。インド北東部でシンジュサンを飼育して作出した一品種。シンジュサンに似るが小さく,赤みが強く,白条が明瞭。開張110mm内外。幼虫トウゴマ(ヒマ)を食べる。繭から上質の糸がとれる。日本でも一時飼育されたが,現在はほとんど見られない。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヒマサン」の意味・わかりやすい解説

ヒマサン

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世界大百科事典(旧版)内のヒマサンの言及

【シンジュサン(樗蚕)】より

…日本全国,朝鮮半島,中国から東南アジアに広く分布し,北アメリカでは中国からもってこられたものが野生化しており,キャンピングカーの普及とともに,卵やさなぎが運ばれ,全国的に分布が広がってしまったという。 エリサン,あるいはヒマサンと呼ばれる飼養品種は,インドのアッサム地方で繭から糸をとる目的で昔から飼育されていたもので,日本,台湾,ヨーロッパの一部に絹糸虫として移入されたが,実用的には重視されず,現在では一部で実験用に飼われているにすぎない。原産地では年5回くらい飼育され,アリンディ絹糸という名で利用されているという。…

※「ヒマサン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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