ヒマワリ(向日葵)(読み)ヒマワリ(英語表記)Helianthus annuus; sunflower

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒマワリ(向日葵)」の意味・わかりやすい解説

ヒマワリ(向日葵)
ヒマワリ
Helianthus annuus; sunflower

日回りとも書く。キク科の大型の一年草で,ヒグルマ,ニチリンソウともいう。北アメリカ原産で,日本には約 300年前に伝えられた。茎は直立して 2m以上にもなり,上部で分枝し,葉とともに短剛毛でおおわれる。葉は互生し大型で長い柄があり,葉身は長さ 20~40cmの心臓形で縁にあらい鋸歯がある。晩夏に,茎と枝の先端に大きな頭状花を横向きにつける。頭状花の周辺部には鮮黄色の舌状花が並び,中央部には褐色の管状花が密集する。頭状花の直径は大きなものでは 20~40cmにもなり,数百の管状花がある。結実するのは管状花だけで,長さ 1cmほどの倒卵形痩果になる。この痩果は食用とされ,またしぼった油はサンフラワーオイルとして食用油石鹸塗料の原料とされる。アルゼンチン,チリなどでは大規模に栽培されている。普通は頭状花の外周部に1列だけ舌状花の並ぶ「一重咲き」であるが,観賞用には舌状花が数列に並ぶ,いわゆる「八重咲き」もあり,舌状花が紫黒色のものもある。ヒマワリ仲間は主として北アメリカに自生し,同属植物ではヒメヒマワリ H. debilis,コヒマワリ H. multiflorusなどが日本でも観賞用に植えられている。

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百科事典マイペディア 「ヒマワリ(向日葵)」の意味・わかりやすい解説

ヒマワリ(向日葵)【ヒマワリ】

北米原産のキク科の一年草。長柄のあるハート形の大きな葉を互生し,高さ2〜3mになった茎の上部に,盛夏,花径10〜30cmの大型の頭花をつける。舌状花は黄色,中心部の筒状花は黄または紫褐色。種子灰白色で,長さ1cm内外になり,20〜30%の油を含む。品種には観賞用と油料用があり,油は食用,セッケン原料,潤滑油に用いられる。種子にはナッツとしての利用もある。性強健で,日当りのよい土地に,春,じきまきする。八重咲,矮性(わいせい)の園芸品種もある。類似種として,葉や茎が銀緑色のシロタエヒマワリ,キュウリに似た葉をもつヒメヒマワリもよく栽培されている。両種ともヒマワリ同様に一年草であるが,分枝性で,各枝先に径10cmほどの頭花をつける。また,茎の上部に,円錐状に径5cmほどの頭花をつけるヤナギバヒマワリ(多年草)も,花壇や切花に利用されている。

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