ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)(読み)ヒメムカシヨモギ(英語表記)Erigeron canadensis; horse-weed

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)
ヒメムカシヨモギ
Erigeron canadensis; horse-weed

キク科の一,二年草で,北アメリカ原産。帰化植物として日本全域をはじめ,ほぼ全世界で雑草化している。根出葉はロゼットをつくって越年し,春から秋に高さ 1mあまりの茎を伸ばす。茎葉は互生し広線形で長さ7~10cm,幅 1cm前後で柄がない。夏に,上部に大きな円錐花序を出し,多数の小さな頭状花をつける。頭花の直径 3mmほどで小さな舌状花がある。痩果には 5mmほどの汚白色の冠毛がある。よく似た近縁の帰化雑草にオオアレチノギク E. sumatrensisがあり,同じような環境に群落をつくる。両者区別はオオアレチノギクのほうが全体に短毛が密生し,そのために茎も葉も白色を帯びてみえる。また頭花はやや大きく下半部がしもぶくれとなっていて舌状花は目立たない。後者はブラジル原産といわれ,日本には東南アジア経由で侵入したようであるが,両種とも都会地周辺で現在最も優勢な雑草となっている。

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