ヒルダ群(読み)ひるだぐん(英語表記)Hilda group

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルダ群」の意味・わかりやすい解説

ヒルダ群
ひるだぐん
Hilda group

小惑星群の名。木星平均運動と尽数(じんすう)関係にある軌道上には小惑星の数が極端に少ない部分があり、カークウッド空隙(くうげき)とよばれている。ところが例外的に、尽数関係にある軌道上にも小惑星の存在することがある。たとえば、小惑星帯の外端部、木星の平均運動と2対3の尽数関係にある軌道(3.97天文単位)がそれである。その軌道上には番号をつけられた小惑星が28個存在する。それらの小惑星を、そこで最初に発見された153番小惑星ヒルダの名をとってヒルダ群小惑星とよぶ。

松井孝典

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒルダ群」の意味・わかりやすい解説

ヒルダ群
ヒルダぐん
Hilda group

木星の約3分の2の公転周期をもつ小惑星約 23個をいう。この簡単な整数比のため,小惑星は木星の引力によって秤動 (ひょうどう) を受けながらも安定した軌道に落ち着いている。この群のうち最初に発見されたのは 153番のヒルダ (1875) で,公転周期 7.93年,衝の位置における平均実視等級は 12.9等である。

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