ピアッツァアルメリーナ(英語表記)Piazza Armerina

デジタル大辞泉 「ピアッツァアルメリーナ」の意味・読み・例文・類語

ピアッツァ‐アルメリーナ(Piazza Armerina)

イタリア南部、シチリア島、シチリア自治州の町。同島中央部の丘陵地帯に位置する。古代ローマの植民都市が置かれ、1世紀から5世紀にかけてイタリアと北アフリカを結ぶ交通要地として発展。現在の町は11世紀のノルマン人支配により建設された。郊外世界遺産文化遺産)に登録された古代ローマ時代の別荘ビラロマーナ‐デル‐カサーレがあることで知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ピアッツァアルメリーナ」の意味・わかりやすい解説

ピアッツァ・アルメリーナ
Piazza Armerina

イタリア南部,シチリア島南海岸のジェーラの北方約40km,標高約700mの丘陵地帯にある町。人口約2万2000。町は11世紀に築かれた。17世紀初めに建てられたバロック様式の大聖堂がある。この町は,とくに郊外にあるローマ時代の別荘で有名。別荘はビラ・ロマーナ・ディ・カサーレVilla Romana di Casaleと呼ばれ,モンテ・マンゴーネの斜面に複雑な建築プランをもって広がっている。ほぼ同時代のスプリトクロアチア)にあるディオクレティアヌス宮殿の整然たるプランと対照を成し,ローマ帝政末期の建築遺構として重要であるが,約3500m2に及ぶ舗床モザイクはより大きな重要性をもつ。主題によって,装飾モティーフ,神話,狩猟の3グループに分類しうるこのモザイクは,3世紀末から4世紀に制作された。このビラを,四帝共治時代のマクシミアヌス帝,コンスタンティウス・クロルス帝などに結びつける説もあるが,現在は北アフリカの動物を都ローマに供給する大土地所有者の別荘とみなされている。モザイクの様式は,帝政末期の表現主義的要素と伝統的な写実主義が混在し,ローマ美術の資料として貴重である。
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