ピジン・イングリッシュ(英語表記)pidgin English

翻訳|pidgin English

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピジン・イングリッシュ」の意味・わかりやすい解説

ピジン・イングリッシュ
pidgin English

主として通商のために用いられる,簡略化された文法と極度に制限された語彙をもつ英語。大航海時代以来,世界各地に生じ,現在もメラネシア中国沿岸などで用いられる。英語の business (商売) が中国でなまって pidginになったといわれる。一般に上述の特徴をそなえ,しかも生得の自然言語になっていないものをピジン語という。なおピジン語がその社会母国語となった場合には,クレオル語と呼ばれる。 (→ピジン=クレオル語 )

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世界大百科事典(旧版)内のピジン・イングリッシュの言及

【ピジン諸語】より

…〈ピジン〉という名称の語源には,英語の〈business(仕事)〉の中国語訛り起源説,ポルトガル語〈ocupação(職業)〉の中国語訛り説,ヘブライ語〈pidjom(交易)〉説,南米ギアナ沿岸の先住民の言語の〈pidian(人間)〉説などがある。現在のところは,〈buisiness〉説が一般的である。 人間の歴史は,民族移動,戦争,交易,移民,探検などによる,異なった文化や言語を持つ人々同士の接触の歴史でもあった。…

【メラネシア人】より

…東部メラネシア諸語とポリネシア諸語との密接な関係が報告されているが,メラネシア諸語研究に関しては未解決の問題が多く残されている。一方,メラネシアで広く話されている言葉に混合語のピジン・イングリッシュがある。19世紀にオーストラリアのクイーンズランドの農園の求めに応じて安い労働力を探す奴隷商人(ブラックバーダーblackbirderと呼ばれる)の暗躍が始まり,ソロモン諸島やニューヘブリデス諸島の島民がその犠牲になった。…

※「ピジン・イングリッシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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