ピース川(読み)ぴーすがわ(英語表記)Peace

改訂新版 世界大百科事典 「ピース川」の意味・わかりやすい解説

ピース[川]
Peace River

カナダ西部の川。長さ1700km。マッケンジー川水系に属する川で,ブリティッシュ・コロンビア州のカナディアン・ロッキー山脈に発し,東流してアルバータ州に入り,北東流してグレート・プレーンズを横切ってアサバスカ湖付近で本流のスレーブ川(マッケンジー川の上流部)に注ぐ。最上流部はフィンレー川と呼ばれ,それを合わせると長さ1920km。ピース川と合流点以下の本流のスレーブ川,マッケンジー川の長さを合わせると全長4240kmとなり,北アメリカ第2の長流となる。1786年A.マッケンジーが探検し,毛皮交易と奥地探検の大動脈となった。20世紀に入って流域の農業開拓が始まり,現在は森林伐採,石油,天然ガスの開発が進められている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピース川」の意味・わかりやすい解説

ピース川
ぴーすがわ
Peace

カナダ北西部の川。マッケンジー川水系の一部で、ブリティッシュ・コロンビア州北部のロッキー山脈中に源を発するフィンレイ川が源となっている。全長1923キロメートル。ロッキー山脈を抜けると北東に流れ、アサバスカ湖に注ぐ。これより下流はスレーブ川となり、グレート・スレーブ湖に注ぎ、さらにマッケンジー川となる。周辺は土壌がよく、生育期も相対的に長く、カナダでもっとも北部の農業地域となっており、大麦オート麦小麦などが生産され、牧畜が行われている。水力開発、石油開発も行われ、バンクーバー地域に供給されている。1792~1793年にマッケンジーが初めて探検した。

[大竹一彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピース川」の意味・わかりやすい解説

ピース川
ピースがわ
Peace River

カナダ,ブリティシュコロンビア州およびアルバータ州北部を流れる川。ロッキー山系中に源を発するフィンリー川が源流で,同州内で,人造湖ウィリストン湖 (1968完成,貯水量 70億t) を形成する。ロッキー山系を抜けるとアルバータ州に入り北東流し,広大なウッドバッファロー国立公園を通り,アサバスカ湖付近でスレーブ川に注ぐ。ピース川流域は 20世紀初頭からオオムギコムギなどの産地で,牧畜も行われる。豊富な森林,鉱産資源に恵まれ,石炭の大鉱脈があるほか,1952年以来石油,天然ガスが産出される。

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