ファイナンシャル・プランナー(読み)ふぁいなんしゃるぷらんなー(英語表記)financial planner

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ファイナンシャル・プランナー
ふぁいなんしゃるぷらんなー
financial planner

顧客の相談に応じ、資産についてのデータを収集・分析して人生設計や事業設計にあわせた財産形成立案ファイナンシャル・プランニング)やアドバイスを行う専門家。略称FPフィナンシャルプランナーともいう。銀行、証券、保険などの金融商品や不動産を扱う会社などに属する企業系FP(インハウスFP)と、事務所を開設してコンサルティング料により収入を得る独立系FPに分けられる。また、資産に関するセミナーでの講師や原稿執筆などを行うFPもいる。

 ファイナンシャルプランニングは欧米で発達した考え方で、日本では1987年(昭和62)に日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)が設立され、1990年(平成2)からFP資格認定試験制度が始まった。2002年(平成14)からは国家資格としてのファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)が、厚生労働大臣の指定を受けた金融財政事情研究会と日本FP協会により実施されている。合格者には1級から3級までのFP技能士の称号が与えられる。2002年度から2012年度までのFP技能検定合格者延べ人数は、1級1万3327人、2級26万8707人、3級56万5723人、総計84万7757人である。

 日本FP協会では、FP技能士とは別に民間FP資格としてAFPCFPを認定している。AFP(Affiliated Financial Planner、日本FP協会の登録商標)は、FP技能検定の2級を兼ねる。CFP(Certified Financial Planner、アメリカのCFP資格認定委員会であるCFP BOARDの登録商標)は、CFP BOARDが認定する民間資格で、世界水準の上級資格としている。どちらも2年ごとに資格を更新する必要がある。

 2013年1月に行われたFP技能検定では、試験問題が試験日前に金融財政事情研究会のホームページ上に公開されていたことが発覚し、大きな問題となった。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ファイナンシャル・プランナー
financial planner

特に個人を対象とし,資産運用・形成についての総合的なプランを設計,提案するファイナンシャル・プランニングの専門家。相続,贈与,事業継承などの税務面の対策,不動産の有効活用,リスクや,収益性を考慮した資産のポートフォリオなど専門的知識を総合し,場合によっては税理士,弁護士など各分野の専門家の協力を得ながらプランづくりを行なう。最近では,リテール分野を重視している各金融機関がファイナンシャル・プランナーの養成に力を入れている。

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知恵蔵 の解説

ファイナンシャル・プランナー

金融資産運用のみならず、税制や不動産、社会保障制度の動向も併せて、ファイナンシャル・プラン(資金計画)作成を支援する専門家。2002年4月、職業能力開発促進法の一部改正が公布され、指定試験機関が技能検定を行うことになった。金融財政事情研究会と日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が、試験機関として技能検定を実施している。合格者には、ファイナンシャル・プランニング技能士(1級・2級・3級)の称号が付与される。

(上村協子 東京家政学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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