ファウラー(英語表記)Fowler, William

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファウラー」の意味・わかりやすい解説

ファウラー
Fowler, William

[生]1911.8.9. ペンシルバニア,ピッツバーグ
[没]1995.3.14. カリフォルニア,パサディナ
アメリカ合衆国の天体核物理学者。フルネーム William Alfred Fowler。1933年オハイオ州立大学を卒業,1936年カリフォルニア工科大学で博士号を取得。1946年カリフォルニア工科大学教授に就任。1950年代に,星の進化(→恒星進化過程で,構成要素は熱と光を放出する核反応により,軽いものからしだいに重いものが生成されていくとの理論提唱した。この理論によると,質量のより大きい星の崩壊によって,超新星爆発が起こり,鉄より質量の大きい最も重い元素がつくられるようになる。また電波天文学の分野では,電波銀河の中心部は強力な電波を放出する超大質量星が崩壊したもので,クエーサーは崩壊した超大質量星の大規模なのものであるとの理論を提唱した。1983年,スブラマニアン・チャンドラセカールとともにノーベル物理学賞を受賞した。

ファウラー
Fowler, Sir John, 1st Baronet

[生]1817.7.15. シェフィールド近郊ウォズリー
[没]1898.11.20. ボーンマス
イギリスの土木技術者。早くから鉄道建設の仕事に従事し,1844年事務所を開設,マンチェスター,シェフィールドを中心に多く鉄道網を設計した。1853年ロンドンメトロポリタン鉄道の技師となって地下鉄の建設に従事,ほかにテムズ川にかかるピムリコ鉄橋(1860),スコットランドフォース湾にかかるフォース鉄道橋(1882~90,2015世界遺産)なども建設した。ロンドンのビクトリア駅の建設者でもある。1866年イギリス土木協会会長,1871~79年エジプトのイスマーイール・パシャの土木技術顧問。1888年ナイト爵,1890年准男爵に叙された。

ファウラー
Fowler, Sir Ralph Howard

[生]1889.1.17. エセックス,ロイダン
[没]1944.7.28. ケンブリッジ
イギリスの理論物理学者。ケンブリッジのトリニティ・カレッジで学び,母校の特別研究生となる (1914) 。ケンブリッジ大学理論物理学教授 (32) 。 1922年,C.G.ダーウィンとともに統計力学に関するダーウィン=ファウラーの方法を案出。さらにこの方法を高温電離気体の研究に適用した。また 1920年代の量子力学の発展を迅速・的確にイギリスの研究者に紹介した。 J.D.バナールとともに行なった水および氷の研究でも知られる。 42年ナイトの称号を贈られた。

ファウラー
Fowler, Charles

[生]1792.5.17. カロンプトン
[没]1867.9.26. グレートマーロウ
イギリスの新古典主義建築家。エクセターで修業したのち,1814年よりロンドンの D.レイングに師事,実利的なイタリア的建築と C.ベリーの影響のもとに市場,ビルなどの商業建築にすぐれた設計を残した。代表作は,ロンドンのコベントガーデン市場 (1828~30) およびハンガーフォード市場 (31~33) ,エクセターの下市場 (35~36) と上市場 (37~38) ,ロンドンの熱病病院 (49) 。

ファウラー
Fowler, John

[生]1826.7.11. ウィルトシャー,メルクシャム
[没]1864.12.4. ヨークシャー,アクワース
イギリスの技術者。初め穀類取引にたずさわっていたが,機械技術を学び,1850年ブリストルに A.フライと共同で蒸気機械の生産工場を設立,農地排水の機械装置をつくり,53年排水用の,56年には開墾用の蒸気機関を開発,さらに 57年スティール・ワイヤを利用した据付式の,翌年には可動式の蒸気鋤を開発した。

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百科事典マイペディア 「ファウラー」の意味・わかりやすい解説

ファウラー

米国の天体物理学者。1946年―1970年カリフォルニア工科大学教授。標準ビッグバン・モデルの提唱や,クエーサーのエネルギー源の解明など多くの業績があり,1983年ノーベル物理学賞を受賞。

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367日誕生日大事典 「ファウラー」の解説

ファウラー

生年月日:1889年1月17日
イギリスの数学者,物理学者
1944年没

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