フィルタレーション

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィルタレーション」の意味・わかりやすい解説

フィルタレーション

戦後日本の持家政策背景となった理論の一つ。持家取得が可能な階層を中心に施策,公的援助を行なうことにより,対象となる階層のみでなく下位の階層にも,フィルタを通すように効果が波及すると考えるもの。これは世帯の持家取得によって空いた住居の居住環境を,次のランクの階層が享受できるとする考え方。しかし,住宅取得がライフステージと連動しなくなったこと,また,資産ストック格差の拡大により主にフロー所得だけを対象とした施策が有効に機能しなくなったことにより,下位階層への効果が薄れ,低所得階層が恒常化する現象も見られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android