フウロソウ科(読み)ふうろそうか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フウロソウ科」の意味・わかりやすい解説

フウロソウ科
ふうろそうか
[学] Geraniaceae

双子葉植物、離弁花類。草まれに低木。葉は互生または対生し、托葉(たくよう)がある。葉身は歯牙(しが)があるか、または分裂する。花は両性で1、2個または多数が腋生(えきせい)し、放射相称または左右相称。萼片(がくへん)、花弁は4、5枚、雄しべはその2、3倍数あり、葯(やく)はT字につく。子房は上位で3~5裂する。果実は3~5裂し、各裂片に1、2個の種子があり、軸に沿って裂開し、基部から上端まで裂片を巻き上げて種子を飛ばす。温帯を中心に世界に11属780種、日本にはフウロソウ属のみ分布する。同属にはハクサンフウロや、民間薬として有名なゲンノショウコなどがある。テンジクアオイ属のゼラニウムは観賞用として親しまれている。

[小林純子 2020年8月20日]

 APG分類でもフウロソウ科とされる。

[編集部 2020年8月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フウロソウ科」の意味・わかりやすい解説

フウロソウ科
フウロソウか
Geraniaceae

双子葉植物フウロソウ目に属する1科。5属約 800種があり,新旧両大陸の温帯から高山帯までに広く分布する。大部分多年草で,根生葉をもち,茎葉は互生または対生し,掌状に分れるものが多い。花は5数性の両性花で,放射相称が普通であるが,アフリカ産のペラルゴニウム属 Pelargoniumなどは左右相称花をつける。おしべは5本または 10本,ときに 15本あり,基部で互いに癒合する。めしべ柱頭は明瞭に5個あるが,花柱の基部で1本となり,上位子房につながる。果実は蒴果となり熟すと5片に開裂して反転し,嘴状の独特の形となる。北半球の高山帯にフウロソウ属 Geraniumの多数の種が分布するのをはじめ,観賞用に栽培されるゼラニウム類 (分類学上はペラルゴニウム属) ,オランダフウロ属 Erodiumなどがある。

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