フクジュソウ(福寿草)(読み)フクジュソウ(英語表記)Adonis amurensis; Amur adonis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フクジュソウ(福寿草)」の意味・わかりやすい解説

フクジュソウ(福寿草)
フクジュソウ
Adonis amurensis; Amur adonis

キンポウゲ科多年草山地木陰に生えるが,フレームなどで促成栽培したものを正月の飾り花として鉢植にすることが多い。根茎は短くやや肥厚し,多数の暗褐色ひげ根を出す。葉は3回羽状複葉。葉柄の基部は膜質で茎を包む。野生のものでは春に,新葉とともに茎頂に黄色の美花を単生する。多数の園芸品種があり,白色花,花弁の細いもの,大輪咲きのものなどがある。根茎および根は強心剤利尿剤とされる。ヨーロッパ産のセイヨウフクジュソウ A. vernalisは赤い花をつけ,ジギタリスの代用として薬用にする。東アジアの温帯に広く分布する。

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百科事典マイペディア 「フクジュソウ(福寿草)」の意味・わかりやすい解説

フクジュソウ(福寿草)【フクジュソウ】

北海道,本州九州,東アジア北部に分布するキンポウゲ科の多年草。北日本に多く,落葉樹林の林下にはえる。早春,高さ10cm内外の茎の頂部に,径約3cmの黄色花を日を受けて開く。花弁数20〜30。花後20〜40cmの高さまでのび,羽状に細裂した葉を広げる。江戸時代以来園芸品種が多数作られ,花色が赤だいだい・白・緑のものや,変わった花型のものもある。移植,株分けは秋にして,フレームで促成栽培すると,正月に観賞できる。根は強心剤にする。

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