フラット35(読み)フラットサンジュウゴ

デジタル大辞泉 「フラット35」の意味・読み・例文・類語

フラット‐さんじゅうご〔‐サンジフゴ〕【フラット35】

長期固定金利住宅ローンローン使途は新築住宅の建築・購入と中古住宅の購入に限られる。返済期間は15年~35年。民間金融機関窓口となって利用者の住宅ローンを組み、その債権住宅金融支援機構が買い取り、証券化して投資家から資金を得る仕組み。同機構が長期の資金調達を支援することで、民間金融機関による長期固定金利が実現した。利率や融資手数料等の詳細は窓口となる金融機関によって異なる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フラット35」の意味・わかりやすい解説

フラット35
ふらっとさんじゅうご

銀行などの民間金融機関が住宅金融支援機構(旧、住宅金融公庫)と提携して提供する長期固定金利の住宅ローン。2003年(平成15)に導入され、固定金利で最長35年間借りられるため、2005年にフラット35という名称になった。長期固定金利のため、金利変動リスクがなく、長期の資金返済計画をたてやすい利点がある。本人や親族の新築住宅、中古住宅、セカンドハウスなどの購入のため、最高8000万円まで借入れできる。住宅ローンの借換えでの利用も可能。借入れ期間は15~35年。申込時年齢が70歳未満の人が対象で、対象物件の面積一戸建てで70平方メートル以上、マンションでは30平方メートル以上。保証人、保証料、繰上げ返済手数料は不要。フラット35を利用するには、住宅金融支援機構の技術基準に基づく物件検査が必要で、2023年度(令和5)からは、断熱性能など国の省エネ基準を満たす必要がある。都市銀行、地方銀行、ネット銀行、信用金庫労働金庫など全国300を超える金融機関が住宅金融支援機構と連携して提供している。フラット35の融資実績は年間7万~8万件台で、住宅ローン全体の約1割を占める。

 かつて民間金融機関は金利変動リスクがあるため、20年を超える長期の住宅ローンを扱っていなかった。しかし旧住宅金融公庫による民業圧迫との批判などを踏まえ、2003年から、民間金融機関が長期固定型住宅ローンを販売し、このローン債権を住宅金融支援機構が買い取って、それを担保とする不動産担保証券を発行して資金調達する方式が導入され、フラット35の取扱いが可能になった。なお、類似の住宅ローンに、耐震性などに優れた住宅の金利をフラット35より一定期間引き下げる「フラット35S」、子育て支援に積極的な地方自治体と連携して金利を下げる「フラット35地域連携型(子育て支援)」、移住者の金利を下げる「フラット35地域連携型(地域活性化)」、長期優良住宅で最長50年間借りられる「フラット50」などがある。

[矢野 武 2023年9月20日]

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知恵蔵mini 「フラット35」の解説

フラット35

民間金融機関と住宅金融支援機構が共同で提供している長期固定金利の住宅ローン。新築住宅の建築・購入と中古住宅の購入に利用できる。同機構の前身である住宅金融公庫が2003年に開始し、04年に現名称となった。金融機関が利用者の住宅ローンを組み、その債権を同機構が買い取り、証券化して投資家から資金を得る「買取型」と、債権の買い取りは行わず、フラット35を担保に発行される債券などの債務の支払いについて、住宅金融支援機構が保証を行う「保証型」がある。借入期間が最長35年の固定金利という点は両者同じだが、買取型は借入限度額が建設費・購入価格の9割まで(14年4月からは全額借入が可能)、団体信用生命保険への加入は任意(保険料が別途必要)、保証型は住宅ローンの借り換えが可能で、借入限度額は最大全額、団体信用生命保険への加入は必須(保険料は銀行が負担)となっている。

(2013-9-5)

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「フラット35」の解説

フラットさんじゅうご【フラット35】

住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱う長期固定金利型の住宅ローン。最長35年間金利が変わらない、借入時に返済額が確定する、保証料と繰り上げ返済手数料が無料などの利点がある。

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不動産用語辞典 「フラット35」の解説

フラット35

民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して出来た長期固定金利型住宅ローン商品のことです。
「買取型」と「保証型」があり、双方とも取扱金融機関により、金利や手数料が違うことに留意する必要があります。

出典 不動産売買サイト【住友不動産販売】不動産用語辞典について 情報

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