フランドル派(読み)フランドルハ(英語表記)Flandre

デジタル大辞泉 「フランドル派」の意味・読み・例文・類語

フランドル‐は【フランドル派】

フランドル地方で栄えた美術流派。特に絵画が重要で、15世紀初頭以降、精妙な写実もとに北方ルネサンス絵画を展開。17世紀にはバロックの豪華豊麗な絵画を生み出した。ファン=アイク兄弟・ブリューゲルルーベンスなどが代表的。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「フランドル派」の解説

フランドル派(フランドルは)
Flemish Art[英],Art flamand[フランス]

15~17世紀のフランドル(フランデレン)地方に開花した美術を担う画家たちの総称。まず15世紀前半にブルゴーニュ公国の文化的中心地であったブリュッヘブリュッセルで活躍したファン・エイク兄弟,ウェイデンら第1世代,15世紀後期のメムリンクら第2世代,ついでボスおよび16世紀にイタリアのマニエリスム様式の影響を受け,アントウェルペンを拠点として活躍した画家たちからブリューゲルに至るまでの第3世代に区分される。特に,北方ルネサンスを築いた第2世代までの画家は,古代復興をめざしたイタリア・ルネサンスに対して,ゴシック自然主義を発展させた精緻で情感に富んだ宗教画を主に手がけ,油彩技法の改良者であるヤンファン・エイクの伝統を受け継いで細密な写実表現に優れた作品を残した。ブルゴーニュ公国の衰退後,17世紀には北部ネーデルラント(フランドルおよびオランダを含む)にその活動の中心が移り,ルーベンスらも同派に与せられるため,15~16世紀を初期ネーデルラント画派として区別する。

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旺文社世界史事典 三訂版 「フランドル派」の解説

フランドル派
フランドルは
Flandre

14世紀末よりフランドル地方で活躍した画家のグループ
北方ルネサンスの中心としてフランドル絵画が発展し,ファン=アイク兄弟による油彩技法の完成により写実性を高めた作品がつくられ,その遠近法肖像画形式はイタリア−ルネサンスにも影響をおよぼした。以後,ファン=デル=ウェイデン,ファン=デル=フース,バウツ,メムリンク,ボスなどが活躍し,16世紀にはブリューゲルが登場した。

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