フローリオー(英語表記)John Florio

改訂新版 世界大百科事典 「フローリオー」の意味・わかりやすい解説

フローリオー
John Florio
生没年:1553?-1625

イギリスの翻訳家。イタリア人亡命者を父としてロンドンに生まれた。オックスフォード大学出身。宮廷に仕え,初期の伊英辞典も編纂したが,モンテーニュの《随想録》を英訳して,《エッセーズ》(1603)として出版した。名訳として世に迎えられ,シェークスピアはじめイギリス・ルネサンス作家思想家に,ヒューマニズムの真髄を伝えるのに力があった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フローリオー」の意味・わかりやすい解説

フローリオー
ふろーりおー
John Florio
(1553―1625)

イギリスの言語学者、翻訳者。イタリア人新教徒の子としてロンドンに生まれる。オックスフォード大学卒業後、レスター伯やジェームズ1世王妃アンAnne of Denmark(1574―1619)のイタリア語教師を務める。モンテーニュ『随想録』の英訳(1603)で知られ、また『言葉の世界』(1598)など辞書類の編纂(へんさん)者としても高く評価される。その業績同時代の文献解読に貴重な手掛りを与えてくれる。

玉泉八州男 2018年7月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフローリオーの言及

【辞書】より

…この《博言辞典》が象徴しているように16~17世紀は〈外国語辞書〉の時代であり,ルネサンス期における古典研究熱,世界的な通商・交流の結果として,ラテン語・ギリシア語以外にフランス語・イタリア語等の近代諸国語辞典が相次いで刊行された。イギリスではクーパーThomas Cooper(1517ころ‐94)の《羅英辞典》(1565)をはじめ,フローリオーの《伊英辞典》(1598),コトグレーブRandle Cotgrave(1634ころ没)の《仏英辞典》(1611)等をあげることができる。また1573年出版のバレットJohn Baret(1580ころ没)編《蜜蜂の巣箱》は英・羅・仏の3ヵ国語辞典であった。…

※「フローリオー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android