フート(読み)ふーと(英語表記)foot

翻訳|foot

精選版 日本国語大辞典 「フート」の意味・読み・例文・類語

フート

〘名〙 (foot 「足」の意。爪先からかかとまでの長さによる)⸨フット⸩ 長さの単位フィートの単数形。日本では複数にも用いられた。→フィート
日本風俗備考(1833)一一「其建築したる高さは、三フート若しくは四フートなり」

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デジタル大辞泉 「フート」の意味・読み・例文・類語

フート(foot)

長さの単位フィートの単数形。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート
ふーと
foot

ヤード・ポンド法の長さの単位で、複数はフィートfeetとよぶ。記号はft。現在の1フートは304.8ミリメートル、1ヤードの3分の1、12インチにあたる。起源は古代オリエントで、足の長さから発した。昔から、各民族や国家で、それぞれの足を意味することばでよばれてきた。古代エジプトからギリシアローマ時代にかけての1フートは290から310ミリメートルの間にある。もともと土地を測る目的で始まった単位なので、距離の単位としては整数倍が使われた。パッススは5ギリシアフィートで147.5センチメートル、これはギリシア・ローマ時代の軍隊が使った2歩、つまり1複歩である。パッススの1000倍がミリア・パッススで、これが後のマイルmileの起源である。

[小泉袈裟勝]

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改訂新版 世界大百科事典 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート
Hans Hut
生没年:1490ころ-1527

ドイツの再洗礼派の指導者の一人で,影響南部・中部ドイツ,オーストリアに及ぶ。フランケンの小村に生まれ,書籍行商を主職とする。ミュンツァーの影響を強く受けて農民戦争に参加し,敗北後,1526年再洗礼派となる。ミュンツァーの神学の一部を受け継ぐとともに,彼の終末論通俗化して,28年の聖霊降臨祭を終末の日と定め,その日に,トルコ人が〈義人〉の支援を得て,背神の聖・俗支配者に神の裁きを執行すると予言し,各地を巡って同調者に洗礼をほどこし,彼らを義人とした。義人は,トルコ人に協力し現世を変革する終末の日までは,あらゆる弾圧と迫害に無暴力で耐えなければならないが,そのような苦難を堕落からの解放の唯一の道と説明した。1527年アウクスブルクで官憲に逮捕され,獄死した。
執筆者:

フート
foot

ヤード・ポンド法の長さの単位。1/3ヤードに等しく,英語圏諸国の主要な標準機関が国際ヤードを採用した1959年7月以降,実効上,厳密に30.48cmである。複数型の名称はフィートfeet,単位記号はftで,〈'〉とも記す。分量単位は1/12ftのインチである。なお,アメリカ測地フートは1866年の法律による換算関係を維持し,1200/3937mで,約30.48006cmである。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート
foot

フィートともいう。ヤード・ポンド法の長さの単位。記号は ft または ' 。補助単位にはインチ,ヤード,ポール,チェーン,ファーロング,マイルなどがあり,複雑である。
もともとフートはローマの長さの単位ペス (かかとから爪先までの長さ) に由来し,インチはラテン語のウンキア ( 1/12 ) ,ヤードは枝または棒,ポールは測量用棒の長さ,チェーンは測量用鎖の長さ,ファーロングは畑のうねの長さ,マイルはローマの長さの単位ミリアリウム (1000複歩の距離) に由来する。

フート
Huth, Georg

[生]1867.2.25.
[没]1906.6.1.
ドイツの東洋学者,アジア旅行家。シベリア,モンゴル東トルキスタンを訪れて歴史,民俗,言語の資料を採集した。主著は"Geschichte des Buddhismus in der Mongolei" (2巻,1893~96) ,"Die Inschriften von Tsaghan Baisin" (94) 。

フート
Voet, Gisbert

[生]1589.3.3.
[没]1676.11.1.
オランダの改革派神学者。ゴマルスの影響を受けカルバン派正統主義を奉じ,ドルト教会会議 (1618~19) でアルミニウス主義に反対した。ユトレヒト大学の教授となる (34) 。カトリック的な考え方やデカルト主義の強い反対者であった。

フート
Hut, Hans

[生]1490頃.フランケン
[没]1527
ドイツの再洗礼派の信者。故郷で教会堂番人,製本業などに従事していたが,T.ミュンツァーの影響を受け,アウクスブルクで H.デンクより洗礼を受ける。自己を至福千年説を伝える預言者と信じ,バイエルンで再洗礼主義のために活動。

フート
Phu Tho

ベトナム北部,ビンフー省中部の町。首都ハノイの北西約 80kmに位置する。ホン川 (紅河) 左岸にあり,ハノイと中国国境の町ラオカイを結ぶ鉄道が通る。付近一帯で栽培される茶の集散地で,近代的な製茶工場がある。

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百科事典マイペディア 「フート」の意味・わかりやすい解説

フート

ヤード・ポンド法の長さの単位。複数型の名称はフィートで,記号ftまたは′。1ft=12インチ=1/3ヤード=30.48cm。

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単位名がわかる辞典 「フート」の解説

フート【foot】

ヤード-ポンド法の長さの単位。記号は「ft」。1ftは、3分の1ヤード、つまり12インチとする。約30.48cm。複数形はフィート(feet)。◇名称は、人間の足のかかとから指先までの長さ、または歩幅に基づく。

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世界大百科事典(旧版)内のフートの言及

【単位】より

… こうした歴史的研究は,いくつかの単位の相互関係を明らかにした反面,諸単位のとめどもない多様性をあばき出すことにもなった。人の足の寸法に由来するといわれた長さの単位(イギリス,アメリカのフートfoot。ドイツのフースFussその他),人が両手を広げたときの左右の指先の間の寸法に由来するといわれた長さの単位(日本,中国のひろ(尋)。…

【度量衡】より

… 〈度〉のもう一つの重要な系列として〈足のかかとからつま先までの長さ〉に関するものがあげられる。ラテン語ペスpes,英語フートfoot,ドイツ語フースFuss,オランダ語フートvoet,フランス語ピエpied,イタリア語ピエーデpiedeなどがその例であることは,語義からも直ちに理解されよう。ただしその実体はあいまいで,地域による差が著しかった。…

※「フート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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