ブライダルベール(読み)ぶらいだるべーる(英語表記)bridal veil

デジタル大辞泉 「ブライダルベール」の意味・読み・例文・類語

ブライダル‐ベール(bridal veil)

ツユクサ科多年草メキシコ原産。鉢植え用のつる性観葉植物。全体花嫁ベールに見たてた名称

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改訂新版 世界大百科事典 「ブライダルベール」の意味・わかりやすい解説

ブライダル・ベール
bridal veil
Gibasis pellucida Hunt

ツユクサ科の常緑多年草で,日本に導入されてまだ新しいが,つり鉢の流行とともに急速に普及した。メキシコ,西インド諸島,南アメリカの原産。茎は細く,節間も長いが,よく分枝して密生する。葉は広披針形~長三角形状ハート形で,表は暗緑色,裏は暗紫紅色。草姿,色彩は平凡だが,生長が速く,強健である。茎の先端から細い花茎を次々と分枝しながら伸ばし,小輪の白色花をひじょうにたくさんつける。群生するとあたかも白いベールを垂らしたように見える。茎を長く伸ばし,つり鉢仕立てにするとよい。結実もするが,普通は挿芽でふやす。日陰にもよく耐え,室内園芸に向く。耐寒性も強く,5℃以上で越冬する。Tahitian bridal veil英名で呼ばれることもあるが,タヒチ島の原産ではない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブライダルベール」の意味・わかりやすい解説

ブライダルベール
ぶらいだるべーる
bridal veil
[学] Gibasis pellucida D.R.Hunt

ツユクサ科(APG分類:ツユクサ科)の半耐寒性多年草。メキシコ原産。茎は径1ミリメートルと細く、地面をはって伸び、節から発根するので、つる性観葉植物として吊(つ)り鉢に利用される。葉は長さ約3~7センチメートルの長楕円(だえん)形で、先がとがり、表面は暗緑色で、裏面は紫赤色。花は茎頂に散形花序につき、径0.7~1センチメートルの6弁花で、緑色を帯びた白色。昼に開いて夜は閉じ、四季咲き性である。ブライダルベールの名は、植物体全体を花嫁がかぶるベールに見立てたもの。変種のワリエガータは葉に乳白色の条斑(じょうはん)が入る。春から秋は寒冷紗(かんれいしゃ)の日よけ下で育て、冬には日光に十分当てる。越冬温度は5℃。

[植村猶行 2019年6月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブライダルベール」の意味・わかりやすい解説

ブライダルベール
Gibasis pellucida; Tahitian bridal veil

ツユクサ科ギバシス属のつる性草本。吊り鉢仕立てで流通する。葉は卵状披針形で互生し,長さ 2.5~7cm。一般に栽培される系統は葉が小さく,長さ2~3cmにしかならない。葉柄はなく,直径 1mmほどの針金のような細い茎を基部でいだくようにつく。茎と葉裏は赤紫色を帯びることが多い。茎はよく分岐し,節から発根する。花は直径6~7mmの白い3弁花で,茎頂に集散花序をなす。花柄はきわめて細く,株全体に咲くと花嫁のベールを彷彿とさせる。春から秋はレースのカーテン越し程度の光を当て,冬は十分日に当てて育てる。過湿に弱く根腐れを起すので注意を要する。5℃以上で越冬する。挿木で容易にふやすことができる。

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百科事典マイペディア 「ブライダルベール」の意味・わかりやすい解説

ブライダルベール

メキシコに原産するツユクサ科の常緑多年草。小さな白花を群がりつけた草姿が,結婚式で新婦の顔をおおうレースを連想させるためにこの名がある。茎は細く長くのび,長さ2.5〜7cmになる卵状披針形の葉を互生する。花は3弁で,径約6mm,まばらに分枝した細い花軸に集散状につく。ただし,吊り鉢などに仕立てられているのは選抜された系統といわれ,茎は紫色をおび,葉は小型で裏面が暗赤紫色。挿芽でふやす。

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