ブラショフ(読み)ぶらしょふ(英語表記)Braşov

デジタル大辞泉 「ブラショフ」の意味・読み・例文・類語

ブラショフ(Braşov)

ルーマニア中央部の都市。ドイツ語名クロンシュタット。トランシルバニア地方の中心地であり、首都ブカレストに次ぐ同国第2の都市。12世紀から13世紀にかけて、ドイツ人やハンガリー人が入植し、先住ルーマニア人とともに居住オスマン帝国西ヨーロッパを結ぶ交易拠点として栄えた。ゴシック様式の黒の教会、ルーマニア人のための初の学校が置かれたという聖ニコラエ教会ドイツ騎士団が築いたブラショフ要塞などがある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラショフ」の意味・わかりやすい解説

ブラショフ
ぶらしょふ
Braşov

ルーマニア中部、ブラショフ県の県都。ドイツ語名はクロンシュタットKronstadt。トランシルバニアのブラショフ盆地にある。人口28万3901(2002)。12世紀にハンガリー人(セクイ)が進出し、先住のルーマニア人と共存した。さらにドイツ人(サシ)も移住し、現在ルーマニア人のほか、サシやセクイも多い。トラクター、自動車、鉄道車両工作機械などの工業が発達している。13世紀のスフント・バルトロメオ教会、14世紀の「黒の教会」、15世紀の要塞(ようさい)塔のほか、13世紀以後の建造物が多い。大学もあり、周辺の山地周遊を含む文化・観光都市でもある。

[佐々田誠之助]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android