ブルシン

化学辞典 第2版 「ブルシン」の解説

ブルシン
ブルシン
brucine

2,3-dimethoxystrichnidin-10-one.C23H26N2O4(394.46).フジウツギ科マチンStrychnos nux-vomicaの成熟種子より得られる.ストリキノスアルカロイドの一つ.四水和物は融点105 ℃(無水物178 ℃).-119~127°(クロロホルム).pK1 6.04,pK2 11.7.λmax 263,301 nm(log ε 4.09,3.93).ストリキニーネよりも水,有機溶媒に溶けやすい.同様に,猛烈なけいれん毒であり,微量を神経興奮薬として用いる.また,しばしば酸類ラセミ分割に用いられる.LD50 1 mg/kg(ラット経口).[CAS 357-57-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルシン」の意味・わかりやすい解説

ブルシン
brucine

C23H26N2O4 。フジウツギ科のマチン (馬銭)の種子からとれるアルカロイドストリキニンと同じ部分に含まれる。苦みがあり,ストリキニンと同じ神経毒だが,効力は 20分の1の弱さ。局所鎮痛剤に使用されたが,現在は使われない。

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世界大百科事典(旧版)内のブルシンの言及

【マチン】より

… マチンの種子を生薬ではホミカ,馬銭子(まちんし),蕃木鼈(ばんぼくべつ)という。1.5~5%のアルカロイド,ストリキニーネやブルシンbrucineなどを含む。これらは中枢神経を興奮させ,中毒すると全身筋肉の強直性痙攣(けいれん)で,背反して死に至る(致死量は0.03~0.1g)。…

※「ブルシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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