ブロード(Charlie Dunbar Broad)(読み)ぶろーど(英語表記)Charlie Dunbar Broad

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブロード(Charlie Dunbar Broad)
ぶろーど
Charlie Dunbar Broad
(1887―1971)

イギリス認識論的哲学者、科学哲学者、哲学史家。ケンブリッジ大学教授。科学理論形而上(けいじじょう)学的理論とを区別し、両者の相異は経験的概念と非経験的・先験的概念との相異に源泉があると考え、両者の概念形成を論究することによって、世界の根本概念を規定するような普遍的原理を明らかにしようとする。実在論的な立場から、知覚は空間的・持続的存在である実体と経験の直接対象である感覚与件sensaとの2要素から構成されるとして、知覚の因果説を支持する。心霊現象の哲学的研究を奨励し、神経組織の死後も心的要素が存続しうることを認め、内省による心身の相互関係の観察が可能であると説いた。

[宮下治子 2015年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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