ブーアスティン(英語表記)Boorstin, Daniel J.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブーアスティン」の意味・わかりやすい解説

ブーアスティン
Boorstin, Daniel J.

[生]1914.10.1. ジョージアアトランタ
[没]2004.2.28. ワシントンD.C.
アメリカ合衆国の歴史家,教育者。フルネーム Daniel Joseph Boorstin。アメリカ文明史家として知られ,大きな影響を残した。アメリカの歴史的・文化的な特徴を論じた三部作『アメリカ人』The Americans――『植民地の体験』The Colonial Experience(1958),『独立国家の体験』The National Experience(1965),『民主主義の体験』The Democratic Experience(1973,1974年ピュリッツァー賞受賞)で知られる。1934年ハーバード大学で文学士号を取得,1936年と1937年にはオックスフォード大学で二つの法学学位を取得した。1944~69年シカゴ大学で歴史を教え,在任中に『トマス・ジェファーソンの失われた世界』The Lost World of Thomas Jefferson(1948),『アメリカ政治の特質』The Genius of American Politics(1953)と『アメリカ人』の 1,2作目を上梓した。1969~73年スミソニアン・インスティテューションの歴史・技術館館長。1975年アメリカ議会図書館の館長に就任。1960年の大統領選挙でのジョン・F.ケネディとリチャード・ニクソンのテレビ討論に触発された『幻影の時代――マスコミが製造する事実』The Image: A Guide to Pseudo-Events in America(1961)において,イベントの多くは宣伝目的であり真に価値あるものはわずかだと論じた(→疑似イベント)。ほかに人類の知的思想の歴史を振り返った三部作『大発見』The Discoverers(1983),『創造者たち』The Creators(1992),『探究者たち』The Seekers(1998)がある。1983~88年,ブリタニカ百科事典編集委員

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