プエブロ号事件(読み)プエブロごうじけん

改訂新版 世界大百科事典 「プエブロ号事件」の意味・わかりやすい解説

プエブロ号事件 (プエブロごうじけん)

1968年1月23日,朝鮮民主主義人民共和国の元山港沖でアメリカの武装情報船プエブロ号が朝鮮人民軍海軍艦艇に拿捕(だほ)され,80余人の乗組員が逮捕され,取調べをうけた事件。ちょうどベトナム戦争のさなかであったため,これを契機アジア,極東全域の緊張が激化した。この事件を討議した国連緊急安保理事会の空気をふくめて,アメリカに対する国際的世論の批判もあり,結局,同年12月23日,アメリカ側が公式に謝罪することにより,事態は平静にもどった。乗組員は全員釈放され,帰国をみとめられたが,アメリカの対朝鮮外交上の汚点となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android