ヘカトンピュロス(英語表記)Hekatompylos

改訂新版 世界大百科事典 「ヘカトンピュロス」の意味・わかりやすい解説

ヘカトンピュロス
Hekatompylos

パルティア王国の都で,その名はギリシア語で〈百門の都市〉の意。エルブルズ山脈南麓を通過する古代の東西交通路の要衝にあった。セレウコス1世がヘレニズム都市として再建し,パルティア王国が成立すると,ニサからここに首都が移された。1967年,イギリス隊はダムガンの西32kmにあるシャフリ・クミース(シャフル・イ・クミース)Shahr-i Qumīsを発掘してヘカトンピュロス遺跡に比定したが,それを証明する文字資料はまだ出土していない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘカトンピュロスの言及

【パルティア】より

… 初期の王都ニサは,第2次大戦後ソ連考古学者の発掘によって発見され,〈ニサ文書〉の出土によって有名である。その後,首都はヘカトンピュロス,バビロニア征服後はクテシフォンに移された。セレウキアとスーサはギリシア系都市として存続した。…

※「ヘカトンピュロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android