ヘビ(蛇)(読み)ヘビ

百科事典マイペディア 「ヘビ(蛇)」の意味・わかりやすい解説

ヘビ(蛇)【ヘビ】

有鱗(ゆうりん)目ヘビ亜目に属する爬虫(はちゅう)類の総称。体が極端に細長く,四肢を欠き,腹板の起伏によって運動を行う。脊椎骨はふつう200〜400個くらいあって,そのため自由に体を曲げることができる。胸骨を欠き,各肋骨の先端は遊離して腹板に連なる。表皮の外層は角質化し,定期的に脱皮を行う。下顎骨は方骨によって頭蓋に連接し,左右の下顎骨は靭帯(じんたい)によって結合するため,下顎骨を左右別々に動かし,口を大きくあけることができる。歯は鋭く内側に向き,毒ヘビでは1対の毒牙となる。耳は皮膚内に埋もれ,眼は眼瞼(がんけん)がなくて,1枚の透明な鱗におおわれる。舌の先端は2叉(さ)し,敏感な嗅覚をつかさどる。化石白亜紀のパレオーフィスが知られ,現生種は約330属2700種。南極を除く各大陸に広く分布し,熱帯,亜熱帯に多い。地中・砂漠・海洋にも生活し,すべて肉食性。1/4が卵胎生で他は卵生,1/9が毒ヘビである。
→関連項目爬虫類

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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