ヘンリソン(英語表記)Henryson(Henderson), Robert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘンリソン」の意味・わかりやすい解説

ヘンリソン
Henryson(Henderson), Robert

15世紀後半のスコットランドチョーサー詩人。最もチョーサーに近い存在とみられ,『トロイルスとクリセイデ』の後日譚ともいうべき『クリセイドの遺言』 The Testament of Cresseidは,18世紀までチョーサー作と考えられていた。『イソップ教訓寓話』 Morall Fabills of Esope,ボエチウスに基づく『オルフェウスエウリュディケ』 Orpheus and Eurydiceのほか,英語で書かれた最古の物語詩『ロビンとマキン』 Robene and Makyneなどがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘンリソン」の意味・わかりやすい解説

ヘンリソン
へんりそん
Robert Henryson
(1429?―1508ころ)

イギリスの詩人。チョーサーの詩風の継承者である。グラスゴー大学に学び、ダンファームリンの修道院付属学校の教師を勤めたと伝えられている。代表作である『クレセイドの遺言』(没後、1593刊)は、チョーサーの大作『トロイルスとクリセイデ』の続編ともいうべきものであり、トロイルスの誠実な愛を裏切ったクレセイドを断罪している。このほか、悲恋主題としたバラード『ロビンとマキン』(没後、1724刊)なども有名。

[安東伸介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android