ベイカ(読み)べいか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイカ」の意味・わかりやすい解説

ベイカ
べいか
[学] Loligo beka

軟体動物門頭足綱ジンドウイカ科のイカ。小形種で、瀬戸内海から九州西岸、朝鮮半島南部、中国沿岸に分布する。外套(がいとう)長は70ミリに達し、ひれは後位で菱(ひし)形。腕は外套長の半分ぐらいで、吸盤は二列に並び、大吸盤の角質環には4~6ぐらいの広い半月形の歯がある。雄の左腹腕は先端の吸盤がなく、交接腕化している。触腕の吸盤は四列に並んでいて、大吸盤の角質環には、鋭い歯が20本ほど間隔をあけてある。瀬戸内海の児島(こじま)湾では4~5月ごろ集魚灯で集めて本種をとる。ベイカはこの地方の呼び名であったものである。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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