ベッキ

百科事典マイペディア 「ベッキ」の意味・わかりやすい解説

ベッキ

イタリアの作曲家,聖職者モデナに生まれ,ベネディクト会で学ぶ。同地大聖堂楽長エステ家の宮廷楽長などを歴任した。宗教曲のほかカンツォネッタ(カンツォーネ)その他の世俗曲があり,特に《アンフィパルナソ》(1594年),《シエナの夜祭》(1604年)など,多声マドリガーレマドリガル)の形式による劇音楽〈マドリガル・コメディ〉の代表的な作曲家として知られる。コメディア・デラルテの精神を汲むこれらの作品では,シリアスな部分に軽妙でコミカルな部分が織り合わされ,方言擬声語が絶妙な効果を上げている。1人物の台詞は多声で表現され,ほぼ同時期に誕生したオペラ対照をなす。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベッキ」の意味・わかりやすい解説

ベッキ
Vecchi, Orazio

[生]1550.12.6. モデナ
[没]1605.2.19. モデナ
イタリアの作曲家,詩人。 1586年にコレッジオ聖堂の会員となり,96~1604年モデナ大聖堂の楽長,および同地の宮廷楽長。ミサモテト,マドリガーレ,カンツォーナなど多くの作品を残し,その多くはベネチアで出版された。なかでも 1594年作曲され 97年出版されたマドリガル・コメディ『アンフィパルナーゾ』は,オペラ成立史上重要な作品。

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