ベニバナイチヤクソウ(読み)べにばないちやくそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニバナイチヤクソウ」の意味・わかりやすい解説

ベニバナイチヤクソウ
べにばないちやくそう / 紅花一薬草
[学] Pyrola incarnata Fisch.

イチヤクソウ科(APG分類:ツツジ科)の多年草。葉は根生し、広楕円(こうだえん)形、常緑で表面は光沢がある。6~7月、高さ15~25センチメートルの花茎を出し、桃色の5弁花を斜め下向きに開く。包葉は狭長楕円形、先は急に短くとがる。山地から亜高山の乾いた明るい林内、とくにカラマツ林下に多く群生し、中部地方以北の本州、北海道、および朝鮮半島、中国、東シベリアカムチャツカ半島千島列島に分布し、近縁種が北アメリカに分布する。

[高橋秀男 2021年5月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ベニバナイチヤクソウ」の意味・わかりやすい解説

ベニバナイチヤクソウ

イチヤクソウ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のベニバナイチヤクソウの言及

【イチヤクソウ(一薬草)】より

…イチヤクソウや中国産のP.rotundifolia L.の全草を乾かしたものを鹿蹄草(ろくていそう)といい,ピロラチンpirolatinやアルブチンarbutinなどを含有し,避妊の作用が認められているし,日本では脚気の民間薬とされる。 イチヤクソウ属Pyrola(英名shinleaf∥wintergreen)は北半球の温帯に約20種あり,日本の亜高山帯には葉が円く,淡紅色の花のベニバナイチヤクソウP.incarnata Fischerがある。【山崎 敬】。…

※「ベニバナイチヤクソウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android