ベネディクツス7世(読み)ベネディクツスななせい(英語表記)Benedictus VII

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベネディクツス7世」の意味・わかりやすい解説

ベネディクツス7世
ベネディクツスななせい
Benedictus VII

[生]?. ローマ
[没]983.7.10. ローマ
ローマ出身の第135代教皇在位 974~983)。教皇領ストリの司教だったが,神聖ローマ皇帝オットー2世(在位 967~983)の名代シッコ伯により,対立教皇ボニファチウス7世(在位 974,984~985)が追放され,そののち教皇に選出された。修道生活の正しい理念を広め,特に 981年の回勅聖職売買を禁止した。またオットー2世と有力貴族クレスケンチウス家の双方の支持を得て,在位中は平和が保たれた。981年にオットー2世との合意によりメルゼブルクの司教職を廃止したが,今日では中央ヨーロッパへの布教の妨げとなったと評価されている。ベネディクツス7世とオットー2世は協力関係を維持し,ともに 983年に死去した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android