ベネディクトゥス(ヌルシアの)(読み)ベネディクトゥス

百科事典マイペディア の解説

ベネディクトゥス(ヌルシアの)【ベネディクトゥス】

西方キリスト教世界における修道制の確立者,聖人。イタリア中部,ヌルシアNursiaの出身。529年ころモンテ・カッシノ修道院を建て,〈ベネディクトゥス会則〉を執筆して,西方修道制の範を示した。以後同会則を採用するベネディクト会系修道院は最盛期に全欧で2000余を数え,中世精神史上特筆される文化的達成をもたらした。妹のスコラスティカScholasticaも著名な聖女。
→関連項目シトー会モンテ・カッシノ[山]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ベネディクトゥス(ヌルシアの)
Benedictus of Nursia

480?~547

イタリアのヌルシア生まれの修道者西ヨーロッパ修道会制度の確立者。ローマ哲学法学を学んだが,堕落を恐れて500年頃スビアコの独住修士となった。付近の修道者を厳格に指導したため迫害を受け,529年モンテ・カッシーノにベネディクト修道会を創設した。彼が539年に起草した同会会則は修道制の模範とされ,西ヨーロッパ風の社会的・実践的修道会活動の指針となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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