ベルダン(読み)べるだん(英語表記)Verdun

翻訳|Verdun

精選版 日本国語大辞典 「ベルダン」の意味・読み・例文・類語

ベルダン

(Verdun) フランス北東部の都市ムーズ川両岸にまたがる要塞都市で、ベルダン条約の締結地。第一次世界大戦では、フランス軍とドイツ軍の激戦地となった。

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デジタル大辞泉 「ベルダン」の意味・読み・例文・類語

ベルダン(Verdun)

フランス北東部の都市。ミューズ川沿いにある。ベルダン条約の締結地。第一次大戦中の1916年、ドイツ軍をフランス軍が破った激戦地。要塞が残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルダン」の意味・わかりやすい解説

ベルダン
べるだん
Verdun

フランス北東部、ムーズ県の副県都。メスの西64キロメートルにあり、ムーズ川が貫流する。人口1万9624(1999)。標高275メートルの上町にはノートルダム寺院(11世紀創建)と城塞(じょうさい)、プランスリー館(16世紀の聖職者監督職の館(やかた)。現博物館)がある。標高70~75メートルの下町には、17世紀の市庁舎が残る。小規模の金属製錬業、乳業、家具、織物などの工業がある。ガリア時代にはベロドゥヌムVerodunumとよばれた。4世紀に司教座の所在地となる。843年ベルダン条約がこの地で結ばれ、カロリング王朝は三つに分かれた。13世紀に自由都市となった。交通の要衝にあるため長くフランスとドイツの係争地であったが、1648年フランス領となった。1792年と1870年にプロイセン占領。第一次世界大戦中の1916年に起きたベルダンの戦いはとくに有名。

[大嶽幸彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「ベルダン」の意味・わかりやすい解説

ベルダン
Verdun

フランス北東部,ロレーヌ地方のムーズ川沿いの町。人口2万3000(1990)。司教管区。交通の要衝にあり,古代ローマ時代から要塞都市として発達,1552年,フランス王国に統合された。843年にフランク王国分割のベルダン条約が締結された地として,また第1次世界大戦の際,1916年2月から12月まで,ムーズ川の両岸からのドイツ軍の激しい攻撃に対してフランス軍が果敢に抵抗した町(ベルダンの戦)として知られる。ムーズ川西方の高地に,11~12世紀に建設されたカロリング朝大聖堂が残る。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルダン」の意味・わかりやすい解説

ベルダン
Verdun

フランス北東部,ムーズ県の町。ムーズ川沿岸に位置する。ケルト人の要塞が町の起源。交通の要地にあたり,ガロ・ローマ時代から商業が発展。4世紀には司教座がおかれた。のちフランク王国領となり,843年には,カルル大帝の3人の孫が王国を3分するベルダン条約をここで結んだ。 10世紀にはドイツ領となり,ツール,メス (メッツ) とともに3司教領を形成。 1552年にはアンリ2世が3司教領を占領し,以後フランス領となったが,フランス帰属が正式に承認されたのは 1648年のウェストファリア条約によってである。 1792年,プロシア軍により占領。 1870~73年にもプロシア軍に占領されたが,さらに第1次世界大戦中の 1916年には2月下旬から9月中旬までの長い間,ドイツ,フランス両軍により大激戦が続けられた。ベルダン会戦として知られる。現在も要塞跡,記念碑などを訪れる者が多い。町は周辺の農業地区の中心で,工業は繊維,印刷,家具製造,製菓など小規模。 11世紀の大聖堂,軍事博物館などがある。人口2万 3427 (1990) 。

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