ペプチゼーション

化学辞典 第2版 「ペプチゼーション」の解説

ペプチゼーション
ペプチゼーション
peptization

解こうともいう.消化酵素ペプシンによってタンパク質が胃液中で分解されるように,凝集状態にある物質が液体中に分散されてコロイドになる現象をいう.アルカリ性水中沈殿した水酸化鉄は,塩酸を加えると解こうして水酸化鉄ゾルとなる.このとき,塩酸は解こう剤という.硫化水銀(Ⅱ)五酸化二バナジウムは塩酸酸性溶液中では沈殿して沪紙上に残るが,これを水で洗うと解こうしてコロイドとなって沪紙を通過する.これを洗出(washing out)という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ペプチゼーション」の意味・わかりやすい解説

ペプチゼーション

解膠(かいこう)とも。凝結したコロイドの沈殿や固体もとコロイド溶液に戻すこと。コロイド溶液が安定化するように適当量の電解質を加えて沈殿した粒子電荷を与えたり,逆にコロイド粒子に吸着した過剰の電解質を除去したりする。たとえば水酸化第二鉄の沈殿に少量の塩酸または塩化第二鉄溶液を加えると水酸化第二鉄のコロイド溶液が得られる。ペプチゼーションを行わせるために用いる薬剤を解膠剤という。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

岩石学辞典 「ペプチゼーション」の解説

ペプチゼーション

ゼラチン質物質(gel)がコロイダル溶液(sol)になる過程.⇒コロイド

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android