ペーパードレーン工法(読み)ペーパードレーンこうほう(英語表記)paper drain method

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペーパードレーン工法」の意味・わかりやすい解説

ペーパードレーン工法
ペーパードレーンこうほう
paper drain method

水を含んだ軟弱な地盤を改良する方法の一つ。軟らかい粘土層の中に,縦方向に圧搾紙の排水材を打込み,毛細管現象を利用して,地層の間隙水を吸上げ,地盤の脱水圧密を促進する。原理は砂ぐいを打込むサンドドレーン工法と同じであるが,作業には専用の打設機械を使って能率的に行うことができる。材料自体の透水性がよくなかったり,切断するなどの欠点があり,プラスチックボードドレーン工法に変りつつある。

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世界大百科事典(旧版)内のペーパードレーン工法の言及

【地盤改良】より

…すなわち,一つは水を多く含んだ軟弱粘土地盤の場合であり,もう一つは新潟地震のときに見られたように,地震時に,クイックサンド状態となる緩い砂地盤の場合である。 軟弱粘土地盤の改良のために用いられる方法は,置換え工法や良質土や砂れきを押し込んで,良好な土と置き換える押出し工法,粘土層に砂の杭や各種の帯状排水材を鉛直に多数本打ち込み,盛土荷重を載せたり真空ポンプによる減圧を排水系統に加えることにより,粘土層を早期に圧密脱水させて地盤強度を高める工法(一般にバーチカルドレーン工法ともいい,用いる鉛直排水材により,サンドドレーン工法,ペーパードレーン工法などとも呼ばれる),砂を柱状に多数本押し込んで支持力がより大きい複合地盤を作るサンドコンパクションパイル工法,粘土層の中に直流電流を流すと粘土層中の水分が陰極に集まるのを利用して脱水強化する電気浸透工法,多数のボーリング孔を利用して地盤中に燃焼熱を通して地盤を強化する焼結工法,生石灰を杭状に打ち込んで粘土中の水を吸収させ,粘土の脱水に役だたせるとともに柱状の石灰支持体を作る生石灰パイル工法,生石灰,または粉粒状態あるいはペースト状態のセメントを現地の粘土層中で混ぜて多数の強度の高い柱状体,または壁体を地盤中に作る深層混合処理工法などがある。また地表付近を補強する目的で用いられるものには,地表にある程度の厚さに砂を敷くサンドマット工法,合成繊維のシートやポリエチレンのネットなどを地表に敷いて,その上に砂を敷き,盛土などをするシートネット工法,表層土だけを石灰やセメントを混ぜて固化する表層固化工法などがある。…

※「ペーパードレーン工法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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