ホウ素化学(読み)ホウそかがく(英語表記)boron chemistry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホウ素化学」の意味・わかりやすい解説

ホウ素化学
ホウそかがく
boron chemistry

水溶液系におけるホウ酸塩の相律的研究や,融解塩などにおけるケイ酸-ホウ酸塩の相律的研究を行う化学。 19世紀末から広く行われたが,ホウ素の水素化物,窒化物,イミドなどの本格的研究は 20世紀に入ってからで,これらはホウ素の化学的研究の主流をなした。 A.ストックらにより多くの水素化物が単離されたが,特にジボラン化学結合の本質に関する特例として,構造化学上の論議の的になった。 1930年頃からボラゾール,ボラザン,ボラゼン,ボラジンなどのホウ素-窒素化合物が発見されたが,本格的研究は第2次世界大戦後のことである。これらは重合触媒として重要であり,また水素化ホウ素ロケット燃料としての可能性を秘め,工業上重要な位置を占めている。水素化ホウ素のうちジボランは炭素-炭素二重結合を有する有機化合物の特殊な還元剤として利用される。

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