ホソトビウオ(読み)ほそとびうお(英語表記)darkedged-wing flying fish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホソトビウオ」の意味・わかりやすい解説

ホソトビウオ
ほそとびうお / 細飛魚
darkedged-wing flying fish
[学] Cypselurus hiraii

硬骨魚綱ダツ目トビウオ科に属する海水魚。北海道南部から九州までの日本海と太平洋、台湾、朝鮮半島南岸などに分布する。別名ホソトビ、日本海側ではマルトビまたはマルともいう。頭が小さく、腹面が丸みを帯び、胸びれ背方が紫褐色を呈するのが特徴。全長は30センチメートル弱。表層域にすみ、おもに浮遊動物を食べて、満1歳で成熟する。5~7月に北上回遊しながら、水温20~25℃の岸辺近くで群泳し、夕暮れどきに産卵する。産卵後10日余りで、全長5ミリメートルの仔魚(しぎょ)が孵化(ふか)する。稚魚下顎(かがく)前端には1本の花弁状の短いひげがある。日本近海に分布するトビウオ類ではもっとも普通に産する種類で、稚魚は干物成魚は刺身、塩焼きなどにする。

落合 明・尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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