ホリガー

百科事典マイペディア 「ホリガー」の意味・わかりやすい解説

ホリガー

スイス作曲家,オーボエ奏者,指揮者。ベルンの北東ランゲンタール生れ。オーボエをP.ピエルロ〔1921-2007〕ほかに,作曲をブーレーズ師事。1959年のジュネーブ国際音楽コンクールと1961年のミュンヘン国際音楽コンクールに優勝し演奏活動を開始した。1959年−1964年バーゼル交響楽団首席奏者を務める一方,独奏者としてもデビューし1966年フライブルク音楽大学教授に就任。無類の技巧と新奏法の開拓でオーボエの可能性を大幅に拡大した演奏家として知られ,スイスのフルート奏者ニコレらと共演。ルトスワフスキフーバーベリオシュトックハウゼンヘンツェ尹伊桑武満徹ら多くの作曲家に作品を献呈された。作曲家としても現代ヨーロッパの第一人者として評価が高く,トラークルの詩によるオーボエと女声管弦楽のための《7つの歌》(1967年)などの管弦楽曲や声楽作品,室内楽曲,ベケットによるオペラ連作などが知られる。1970年に初来日。夫人ハープ奏者のウルズラ・ホリガー〔1937-2014〕。
→関連項目デニソフ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホリガー」の意味・わかりやすい解説

ホリガー
ほりがー
Heinz Holliger
(1939― )

スイスのオーボエ奏者。ベルン音楽大学とパリ音楽院で学んだほか、ブーレーズに師事して作曲法も修めた。1959年ジュネーブ、61年ミュンヘン両音楽コンクールで第1位。バーゼル交響楽団を経て、66年からフライブルク音楽大学教授。以後、室内楽・独奏の両分野で活動し、70年(昭和45)初来日。オーボエの演奏上の難点をすべて克服したうえ、自らくふうした新しい奏法により、この楽器に新しい可能性をもたらした。レパートリーは広いが、現代音楽にとくに造詣(ぞうけい)が深く、多くの作品がホリガーのために書かれ、彼によって初演されている。指揮者、作曲家としての活動も見逃せない。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホリガー」の意味・わかりやすい解説

ホリガー
Holliger, Heinz

[生]1939.5.21. ランゲンタール
スイスのオーボエ奏者,作曲家。ベルン音楽院を経て,バーゼル音楽院で P.ブーレーズに作曲を,パリ国立音楽院で P.ピエルロにオーボエ,Y.ルフェビュールピアノを学ぶ。 1959年ジュネーブ,61年ミュンヘンの国際音楽コンクールにオーボエで1位入賞。以後独奏者として活躍するかたわら,ドイツのフライブルク音楽学校で教えている。現代最高の技術をもつオーボエ奏者で,K.ペンデレツキ,H.ヘンツェ,K.シュトックハウゼン,E.クシェネック,L.ベリオ,A.ジョリベら多数の現代作曲家が作品を捧げている。作曲家としてもすぐれ,『オーボエ,ビオラ,ハープのためのトリオ』 (1968) ほかの作品がある。

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