ボルゲーゼ公園(読み)ボルゲーゼコウエン(英語表記)Villa Borghese

デジタル大辞泉 「ボルゲーゼ公園」の意味・読み・例文・類語

ボルゲーゼ‐こうえん〔‐コウヱン〕【ボルゲーゼ公園】

Villa Borgheseイタリアの首都ローマにある公園。ローマ教皇パウルス5世を輩出したシエナ出身の貴族ボルゲーゼ家別荘および庭園だった所で、17世紀に枢機卿すうききょうシピオーネ=ボルゲーゼの命によりフランスの建築家ファン=ザイスの設計で造られた。面積0.06平方キロメートルの敷地に、ボルゲーゼ美術館国立近代美術館、ビラジュリア博物館、動物園、乗馬場などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルゲーゼ公園」の意味・わかりやすい解説

ボルゲーゼ公園
ぼるげーぜこうえん
Villa Borghese

イタリアの首都ローマの代表的な公園。教皇パウルス5世の甥(おい)シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(すうききょう)が17世紀末に建てた邸宅に付随してつくられた広大な庭園。ボルゲーゼ家は13世紀から続くトスカナ地方シエナの名門で、16世紀中葉ローマに居を移した。邸宅は現在、公園内のボルゲーゼ美術館となっており、シピオーネの収集品を中心とするベルニーニラファエッロボッティチェッリカラバッジョなどの作品を収蔵し、そのコレクションはバチカン美術館に次ぐ。とくに、ボルゲーゼ家の1人と結婚したナポレオン1世の妹ポリーヌをモデルとする、18世紀、カノーバ作の大理石彫刻は有名。公園北西に国立近代美術館がある。北西奥には教皇ユリウス3世(在位1550~55)の別荘であったビラ・ジュリア美術館(エトルスク美術館ともよばれる)がある。公園西端のピンチョの丘は19世紀初頭ジュゼッペ・バラディエール設計で公園化されたもので、市街の眺望がよく、その名称は6世紀この地に別荘をもっていたピンチ家に由来する。

[藤澤房俊]

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