ボントク族(読み)ボントクぞく(英語表記)Bontok

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボントク族」の意味・わかりやすい解説

ボントク族
ボントクぞく
Bontok

フィリピンルソン島北部マウンテンプロビンス州の山岳地帯,チコ川上流部一帯に居住する民族棚田(→階段耕作)による水稲栽培生業とし,丘陵ではタロイモその他の根茎類を栽培。形質上の特徴は短頭,直毛,比較的低身長で,服装はかつて男子は裸,女子は腰布のみで,首狩り習俗をもつ民族として恐れられていた。言語はオーストロネシア語族に属するが,文化的には,巨石文化,あるいは初期金属器文化の影響が大きい。平均 1000人程度が村落に居住し,聖樹や男子集会所などの祭場をもつ。勲功祭宴による動物供犠(→犠牲)が盛んに行なわれる。成人式で男女とも入墨を施し,ルマウィグという文化英雄を信じ,作物の予祝・豊穣儀礼には若者組による模擬戦を行なう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android