日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ボールズ(Paul Frederic Bowles)
ぼーるず
Paul Frederic Bowles
(1910―1999)
アメリカの小説家。ニューヨーク州生まれ。初め作曲家を志し、劇、オペラ、バレエなどの作曲を試みたが、のち小説に転じ、『天をさえぎるもの』(1949)、『雨は降らせよ』(1952)、『蜘蛛(くも)の家』(1955)など、モロッコを中心とする北アフリカを舞台にし、異国情緒のなかに複雑な人間心理のあやを織り込んだ実存主義的作品を発表した。ほかに、短編集、紀行文、翻訳、自叙伝『止まるを知らず』(1972)など。また、『天をさえぎるもの』は『シェルタリング・スカイ』の名でイタリアの映画監督ベルナルド・ベルトルッチにより1990年に映画化された。
[平野信行]
『四方田犬彦訳『ポール・ボウルズ作品集』全6巻(1993~95・白水社)』▽『『シェルタリング・スカイ』(新潮文庫)』
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