ポンピング(読み)pumping 

パラグライダー用語辞典 「ポンピング」の解説

ポンピング

機体キャノピー)の潰れを回復させる操作をいう。パラグライダー初期の頃、潰れからの回復には「キャノピー内の空気を潰れているセルに送り込む」と考えられていた。つまり、ブレークコードを引いたり戻したりすることによって、ポンプのように空気を送り込むイメージからそう呼ばれるようになった。しかし、ポンプと仮定した場合、引く操作は素早く、大きく、また数多く行えば効果は大きいはずであるが、実際の潰れからの回復には当てはまらない。片翼潰れからの回復には潰れた部分に大きな正の風圧分布をつくる事が大切である。大きな風圧分布を発生させるには、アタックアングルを大きくする事が必要だが、その為にブレークコードを引き続ければ、当然失速する。それゆえ、潰れた部分にピッチング運動をかける事になる。1回目のブレーク操作で元に戻らない場合は、翼の振り子運動の次のタイミングで(アタックアングルが最大になる様)ブレークコードを引く。仮にまだ復元しない場合、もう一度同じ操作を行う。大切なのはピッチングと同じ要領リズミカルな操作が必要なことである。この時、潰れていない側は飛行方向の維持の為に適切なブレークを行っており、一連の操作はポンピングと言うより、むしろ「片翼ピッチング」と言った方が良いかもしれない。しかし、過去からの習慣で、今でも残念ながらこの操作をポンピングと言っており、初心者に誤解されやすい。

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化学辞典 第2版 「ポンピング」の解説

ポンピング
ポンピング
pumping

原子分子に光照射,電子衝撃放電を行ってエネルギーの低い状態から高い状態に励起する操作.メーザーレーザー発振のために必要である負温度の状態を発生させる方法としても用いられる.負温度発生法としては光または電磁波を用いるもの,電子線による衝撃,放電による衝撃,放電などに加えて分子線を用い適当な電磁場により高エネルギー状態にある原子(分子)のみを取り出す方法,断熱高速通過を用いる方法などがある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポンピング」の意味・わかりやすい解説

ポンピング
pumping

井戸の水をポンプで汲上げるように,外部からエネルギーを注入して,低いエネルギー状態にある原子,分子などの粒子を励起し,高いエネルギー状態の粒子を多数つくること。レーザー,メーザーに用いられる。エネルギー注入のおもなものとして光を照射する光ポンピング,放電によるポンピング,電流ポンピングなどがある。

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