マウリヤ朝美術(読み)マウリヤちょうびじゅつ(英語表記)Maurya art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マウリヤ朝美術」の意味・わかりやすい解説

マウリヤ朝美術
マウリヤちょうびじゅつ
Maurya art

前3世紀中葉,インドのマウリヤ王朝は西方ペルシアや古代ギリシア美術の影響を受け,古代インドにおいて初めて本格的な造形美術を花開かせた。この時期の代表的遺品には,アショーカ王石柱や,払子 (ほっす) を持ったパトナ博物館蔵のヤクシー像や,男子トルソーなどの丸彫人像彫刻がある。これらは硬質の砂岩を用い,表面はいわゆるマウリヤ式研磨が施されて光沢があり,洗練された輪郭線を示している。ほかにパールカム出土のヤクシャやベスナガル出土のヤクシーの立像があり,これらは前者とは対照的に稚拙で素朴である。またテラコッタの小像も造られ,パトナ近郊のブランディバーグなどから出土している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android