日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マカッサル(インドネシアの地名)
まかっさる
Makasar
インドネシア、スラウェシ(セレベス)島南西の港市。1971年にマカッサルからウジュン・パンダンUjung Pandang(「パンダヌス樹の茂る岬」の意)に改称されたが、1999年現名に戻った。人口110万0019(2000)、150万2459(2018推計)。スラウェシ島第一の都市で、地方政治、経済、文化の中心地であり、南スラウェシ州の州都である。マカッサル海峡に臨み、付近はマカッサル人が居住し、古来、マレー半島、ジャワと東方の香料産地モルッカ諸島との中継基地として商業が栄えた。以前には多くの小国があったが、のち、ここを首都とするゴワ王国に統一された。しかし戦略的要点でもあるため、近世にポルトガル、イギリス、オランダの侵入を受け、17世紀後半にはオランダ領となった。市街は近代化され、中央広場などに通ずる美しいタマリンドやカナリー樹の並木道は有名である。沖合いのサンゴ礁が天然の防波堤をなすうえに、近代に行われた港の改良工事で大船も停泊しうる。地方物資の集散が盛んで、インドネシア海軍の重要基地の一つでもある。国立大学がある。
[別技篤彦]
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