マキ(槇)(読み)マキ(英語表記)Podocarpus macrophylla; yellow wood

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マキ(槇)」の意味・わかりやすい解説

マキ(槇)
マキ
Podocarpus macrophylla; yellow wood

マキ科の常緑高木で,イヌマキホンマキ,クサマキなどともいう。房総半島以南,四国,九州,沖縄の主として太平洋側の暖地の山地に自生し,また中国大陸南部でも知られている。樹皮は灰白色で縦に裂け,薄片となり脱落する。葉は線形ないし披針形で長さ 10cmほどあり,先端が鈍くとがり,厚質で,上面は濃緑色,下面は淡緑色,中央の太い主脈が隆起する。雌雄異株。春,小枝側方に短柄のある黄白色で円柱形の雄花穂を3~5本ずつ腋生する。雌花は葉腋に単生し,緑色の果托が目立つ。種子球形で熟しても緑色,果托は暗赤色に熟し甘みがあって食べられる。材は建築,器具,下駄の材料になる。千葉県の県木。生垣に多く用いられる。本種より葉が短く密生するラカンマキは本種の園芸品種である。

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